※桓騎×女+信
※桓騎視点
※桓騎は女への挿入有り、信への挿入は今回は無し
※攻めへの乳首舐め有り、女の汚い喘ぎ注意
※合意してません




あれから片手で数えられるぐらいには男を呼び出した。その度に感情が入り混じらない交情を行い、行為が嫌がらせだと言うことを否が応でも分からせる為だけに行っていた。気持ちいいことは嫌いではない。組み敷く男も快楽には弱いようでそれ以上強くは出てこなかった。それでもこの屋敷に到着し、桓騎自身と顔を合わせるなりぎゃあぎゃあと騒ぎ立てる男を桓騎は半ば鬱陶しく思っていた。
今日も呼び立て連れてこさせた。最も初回に連れてきた時のように強制的ではなく、こちらへ自然と足を仕向けるようにさせてある。抵抗すれば仲間を殺すと。自身の後ろ姿で喚いている男は仲間を戦場以外で死ぬことを良しとはしていない。自軍の者は虐殺をして返り討ちあえばそれはそこまでだと桓騎は思っているのでその辺に落ちている石ころと、歩兵は何ら変わらないと思っていた。使い捨てのコマ。それがどう動こうが何をしようが関係ない。自分の意のままに動けばそれで良かった。黒羊丘攻略に置いて、後ろの男と真正面から意見が対立したのもその考えの違いからだった。略奪、虐殺、陵辱をしようとも思わない飛信隊の隊長がどういった思考で隊を動かしているのかと思えば、この中原を一つに統一するという馬鹿も休み休み言えと言いたくなるような戯れ言をほざく。さすがの桓騎もこれには今までの態度を改めざるを得なかった。そんな見栄を切って寄越すのは大馬鹿かそれとも。
「毎度呼ぶんじゃねェ」
「あ? 暇してんだろ?」
一度後ろに顔を向け、すぐさま顔を戻す。会話を続ける気概は持っていない。男が噛みつくようにすぐさま口を開き否定を返した。
「してねェ! 今日だってあいつらと市場に行くって約束があって」
桓騎は口を閉ざしながら男の言い分を聞きながら、指を顎にかけ生やしている髭を撫で付けながら目を薄く細める。
「……ついでに数人攫ってくれば良かったな」
「やめろっ!」
「なら大人しくついてこい」
数歩後ろを歩く男へ肩越しから視線をやり表情を盗み見る。不服そうな顔を横に背けながら文句を並び立て時折桓騎から遅れそうになると小走りでついてくるのが垣間見えた。男は先に行こうとはせず、大人しくついてくる。戦場に出て噂を耳にしてから恐らく数年立つはずだがこういう出し抜こうとしないところは微賤の出と言ったところか。桓騎はひっそりと口角を持ち上げた。
「……つーかよ、今日はいつもの室じゃねェんだな」
「……なんだ、気に入ってんのか」
「ちがっ、……違ェ!」
扉があるだけの室とは違い、寝台と室か竹の簾で分け隔てられている離れを選んだ。これには訳があるのだが男に言ったところで聞き入れられることはなさそうなので桓騎は胸の内にしまっておいた。当の男は自身にのこのこついてくるただの間抜けと化している。
「俺がどこでお前を犯そうが勝手だろう」
「犯っ」
「ああ、抱くの方が良かったか?」
くく、と喉の奥で低く笑うと男は勝手に押し黙り口ごもる。生娘な訳ではないはずなのにこういった性交渉に関することを口に出すのは恥ずかしいらしく、また酷く疎いところがある。男社会において話題が飛び出さないはずがないのに、かわしてきた付けがここにきて一気に回ってきたと思っているのだろう。桓騎はその様子を眺めるのが半ば愉しくなりつつあるのだった。
離れに着くなり垂れ下がっている簾に男を押し込み、桓騎自身の膝を寝台に乗せる。成人の男の重みと自身の体重で寝台が軋む。広く作られているとはいえ、限度があるのは知っているがまた壊れたら作り直せば良い。相手も、寝台も。
「っ、脱げばいいんだろ」
「分かってんじゃねェか。早く脱げ元下僕」
男が胡座をかきながら腰紐を解いていく。臭木で染めたであろう青い襤褸服はいつも代わり映えしない。そのおかげで一瞬でこの男が判別できる点では悪くはないが桓騎にとって面白みは一切なかった。
麻布同士が擦れ、鍛えられているがまだ未成熟な胸が曝け出された。胸当てがあるとはいえ傷跡は絶えず、細かな傷痕が戦の激しさを物語っている。桓騎も嘗て蒙豪の下で副将を務めていたころは前線に出ていたが最近は桓騎自ら手を下す事もなく終わる戦ばかりで傷を作ることも減っていることを思い出す。
開かれた胸元に桓騎は腕を伸ばし、手をはわせた。戦の時以外は胸当てをせず陽に焼け、健康的な色味になっている肌は力が入っていない為か柔らかく桓騎の手のひらに吸い付いてくる。指先を静かに持ち上げ僅かに上部にやると浮き出ている胸骨と鎖骨に触れてみる。しっかり太く、固い。女の細くしなやかで直ぐにでも折れそうな作りとは全く異なっていた。
今度はまた上へと手のひらを滑らせていく。首の根元、親指は顎の先へとかかっていく。無駄な肉がなく、しかし骨が浮き出ている曲線は男の意思の強さと同様に力強さと男という性を感じさせる。
桓騎は時折男娼を抱くこともある。封じている土地の貴族連中からどうだと勧められるからだ。娼婦は軍で飼っていることもあり日常茶飯事で抱き捨てているが、男娼となれば多少異なる。
女の性とは異なった、中性的な肉体はまた違った魅力を感じ様変わりした味を好む桓騎にとって時々なら楽しめるが、恒常的に抱きたいかと言われればそれは違う。
今肌に触れている男はまた別で、桓騎は自身がなぜこの男に強く興味を惹かれているのか常に理由を探していた。まだ答えは見つからない。
「んだよ」
顎にかけていた指を滑らせ下唇のふくらみをなぞる。桃色に色づき乾燥で荒れている唇は薄く、僅かに開かれた口裂からはまだ暖まっていない吐息が漏れ出す。
桓騎はふ、と目を弓のように細めそれから絡めていた指を外した。
「いや? つまんねェ顔だと思ってな」
「つまんねー顔で悪かったな」
男が顔を背けながら止まっていた動きを再開させ襤褸服を肩から脱ぐ。直接太陽からの刺激を受けている肩と鎖骨の色がくっきりと別れており桓騎は視線を静かに上げ、再び肌に手を這わせた。
「主様」
男を押し倒そうと肩に手をかけた時、今の室の雰囲気にそぐわない声が簾の外から聞こえてきた。桓騎は男から視線を離し、興味がなさそうにその声の主に黒眼を向けた。竹と竹の隙間から見える絹織物の衣をまとった小さな肩は小刻みに震えている。桓騎自身が気に食わなければ殺されると思っているのだろう。間違いではないし、今から相手をしようとしている男が激昂する姿を眺めても良いがそれ以上に女を知らないであろう男の目の前で女を抱くとどうなるのだろうか。その一点のみが気になり、桓騎は事前に女を呼んでいたのだった。無論、目をまるくしながら状況が飲み込めていない男には伝えていない。これから一緒に抱くことも、だ。
「来い」
桓騎は簾越しに顎を横に振り、寝台へ来るよう促す。声の主ははい、と小さく返事をし折っていた膝を伸ばして静かに足を運んでくる。その様子を桓騎は静かに眺め、か細く手入れされていない丸みを帯びた指先が簾にかかる。持ち上げられると声の主――女は桓騎の目を見るより先に、男の顔を見て絶句している。男も同じく先ほどよりも更に目を丸くして、驚く他ないといった表情で女の顔をまじまじと見ていた。どうやら桓騎の知らないところで二人は顔を知っているらしい。桓騎は僅かに眉を持ち上げただけで、胸中は顔には当然出ないが躍っている。女ではなく男の反応をより楽しめる、としか思わないこの状況は却って好都合だった。
桓騎は特に声をかけず、腕を伸ばして簾を背にしている女の腰を強引に引き寄せる。この邸第に使えているということしか知らない女の素性はどうでも良かった。抱き心地が良いか悪いか、それだけだった。
腰骨が出っ張り腕に引っかかる。絹で作られているが上等ではないその衣服を腰布をほどいて襟を寛げる。下着はつけておらず白い素肌がさらけ出された。とても豊満とは言えない胸はのっぺりとしているが、まだ誰にも触られていないであろう小さな突起と周りの乳輪は薄桃色で、女と同じく触れられるのを恐れ先が内に秘められている。
腰を抱いていた手を腹から胸を撫でる。弛んでいない腹は息をする度にへこみ、肋骨の縁を浮かび上がらせる。鳩尾に触れ、胸骨から向かって右の胸を軽く掴んでみた。
「んっ……」
女が小さく声を上げる。その様子に特になにもしていない男が肩を小さく震わせた。何かに驚いたのだろう。褥を握りしめ、目を逸らさず桓騎と女の様子を見守っていた。
「お前も混じるか? 別に挿入てもいいんだぜ?」
「そんなことするかよ! 娼婦じゃ、ねェし……」
興味があるのなら混ぜてやっても良いし、なんなら童貞を卒業させてやるところを見るのもまた一興かと思い声をかけてみたが、案の定男が拒絶を返した。こういうところは真面目で面白みがなく、何に対して操を立てているのかは桓騎は知り得なかった。男が視線を逸らせながら後に続く言葉を発する。それに対して、揶揄うように男へと声をかけた。
「なら次は娼婦に挿入てみるか?」
「そういうことじゃ、」
男は言い訳がましく女を盗み見ながら再び否定をする。女を興味本位で抱こうとは思わないのだろうか。桓騎は手を這わせ、女の突起を親指で押しつぶしてみる。女は再び小さく声を上げ、その折れそうな腕を自分の腕に添える。寝台で膝立ちになりながら、白い肌を二人の男に痴態を晒そうとしている。娼婦でなければ恥辱でしかない。
指の腹を左右に動かし縮こまっている突起を招き出すように刺激してやる。徐々に芯を持ち、天へと向かって突き出そうとしているその様子を指をどかし冷めた目で観察をした。心拍数が僅かだが上がり始め、乳輪が色づく。刺激も相まってか恥ずかしげにぴったりと閉じていた乳輪はふっくらと持ち上がり、切っ先が頭を出す。小ぶりのそれも薄桃色で、女は自分で突起を刺激しないのか、随分ゆっくりと乳首が出てくる。
「いやぁ……っ」
女は自分の刺激された胸を一瞬だけ見ると瞬時に顔を赤らめて腕を持っていた片手で顔を覆う。勿論隠せていない。
続けてもう片方の突起も刺激し、両方飛び出させて両胸に両手をあてがった。掴む乳房がない貧相な胸を揉みしだき、乳輪の周りを丁寧に刺激してやる。中心以外はまだ快感を得られないらしく、不安げな表情で女は桓騎を見つめている。桓騎の手に収まってしまう乳の中心にある突起を手のひらで円を書くように転がしてやると、細い腰が左右に揺れ動き始めた。どうやら乳首は快楽を拾えるらしい。しだいていた胸から両手の指を外し、どちらとも胸の突起へと指を持っていく。親指と中指で幹を摘まみ、捻るように擦り合わせてやると目を見開いて前腕を強く掴む。
「あっ……! やぁ……!」
開いている人差し指で乳頭の先をひっかくように爪を立て刺激してみる。首を仰け反らせ、はじめての快感にどうして良いかわからないらしく目を白黒させてどうにか逃そうとしている。
女の方が快楽に従順だった。娼婦は勿論、おそらくこの女も初物だろう。刺激すれば声を抑えるどころか気持ちよさそうに高い声を上げる。
男は違う。痛みに強い所為か、最初の時は反応こそ返したものの感じている様子はなかった。男娼はこの限りではないが、下にいる男はまた違った楽しさを見出していることに桓騎は女を通して今更ながら気がついた。頃がしていた薄紅色の突起を強くつまみ、上へと持ち上げ下乳を引っ張る。張り出された胸を人差し指の爪先で執拗にひっかき、親指と中指の刺激も忘れずに与えてやる。
「っあん……乳首ばっかやぁっ……」
指をぱっと離し、女の腰が寝台へとへたり込む。胸への刺激ばかりで下半身の刺激が欲しいのか薄い麻の褥へ腰を押し付け左右に軽く降り、次の刺激を待ち構えている。淫豆への刺激が欲しいのだろう。桓騎の目の前で自慰を行っているなど女は微塵も思っていない。
女の背後に回り込み、再び胸を掴む。一度大きくしだき込んでから両手をわき腹を滑らせ、片手で膝をついている太腿を大きく開かせた。まだ茂みは薄く、生え揃っていない恥丘はへその溝からふっくらと柔らかく持ち上がっている。無駄のない肉付きに興味はなく、片方の人差し指の腹で割れ目を薄くなぞる。
「あっ……!」
欲しいところに丁度当たったのか甲高い声が室に響いた。
ずっと放置している男をみると、まだ脱いでいない下肢の胡服の中はしっかりと天幕のように張りが作られ反応を示している。女の声か、その姿か。桓騎には分かりかねたが、予想通りの反応に低く笑う。
「見てろ」
割れ目を滑らせていた中指と、それを補助するように人差し指が沿わされ割れ目を左右に開いていく。
ぬらぬらと塗れている淫水を指先にまとわりつけ、上下にゆっくりと滑らせていく。控えめに主張し始めた陰核は充血し始め、触り始めた時よりも硬く芯を持ち始めていた。中指の腹で陰梃の切っ先を撫でてやると大袈裟に腰が跳ね、開いている割れ目の穴から粘度の高い粘液が溢れ出す。続けざまに指の腹を左右に何度か動かし、刺激を絶え間なく与え続けてやると寝台に落ちていた手を彷徨わせどこかにすがりつこうとしていた。
「あっ、……あっ……」
根元にあるしこりを左右に小刻みに動かし、淫核の皮を剥く。まだ幼さが残る桃色の先端が顔を出し、桓騎の指の爪先で幾度か弾いてやると、背が跳ね上がった。
「そこっ……んっ、いやですっ……おかしくなる……っ」
腰を自ずと押し付け、更に刺激を求めているのに何が嫌なのだろうかと桓騎は思ったが口には出さず、そのまま子袋の入口へと指を下げていく。すでに濡れそぼり浅く指を入れるだけで奥から淫水を吐き出す。すでにとろみがつきねっとりとした塊が降り、中指の腹をじっとりと湿らせた。丁寧に入口をなぞり、ゆっくりと中指を根元まで膣壁に埋め込んでいく。女へ外部の前戯しかしていないのにも拘わらず、既に潤みきっており桓騎の肉竿を迎え入れる準備が出来ていた。流石に初物なので娼婦たちよりは多少中がきつく感じられる。何度か内壁を擦り刺激を与え、指を引き抜いた。体温が高いのか、まとわりついた淫汁は暖かく、女の薄い腹で指を拭いまた今から陰茎が入る子袋の腹の上からさすってやる。
桓騎は装束の腰紐をとり、元衿を両手で広げる。胡服を腿まで下げ、まだ半勃ちになっている自身の陰茎を取り出し背を向けていた女をこちら側へ反転させた。
「舐めろ」
完全に勃ち上がっていない茎を持ちながら頬を叩き口をあけさせる。女は性に疎い訳ではないらしく小さな唇を目一杯あけ、亀頭を口腔へと含んだ。舌の柔らかい感覚と口壁はまた膣とは違った感触が桓騎の脳髄を揺らす。
膝立ちになりながら舐めさせているので、弱冠手持ち無沙汰だと感じる。男が相変わらずこちらの様子を凝視しているのもつまらないので、奉仕させることにした。
「何寝てんだ。舐めろ」
「は……?!」
「下はこいつが舐めてんだろ。お前は胸だ」
自分に声がかけられると思っていなかった男が驚愕しながら桓騎を凝視した。腕を伸ばして手首を掴み、引き起こす。桓騎の下半身に時々甘い痺れを感じるが娼婦の口淫では無いため余裕がある。
男が立て膝になり手を突っ張って胸を押し返そうとするが、桓騎はそれを許すはずがない。
「おっ、俺がテメェのちっ、乳首をっ……!?」
流石に回数を重ねて交接しているため、胸を舐めるという発想ではなかったことにむしろ安堵した。当初は性に関する知識が薄く、奉仕さえままならなかった男が今は舐めろと言っただけで何を舐めるかは分かっているようだ。そう教え込んだのは紛れもなく桓騎自身であり、その思考は刷り込まれていることに男はきっと気がついていないだろう。
目を細め、男を見下す。舐めようとしない姿勢に、桓騎は口を開く。
「嫌ならこの女を屠ってお前が舐めることになるんだが?」
「てっ、テメェ……!!!」
桓騎は女をくびり殺そうと思えばすぐに出来た。胸を舐めようとしない男よりも鍛えられていない首は女特有の細さも相まって、片手で簡単に捻れば一瞬で終わる。男に宣言せずとも目の前でやってみせれば激昂し剣を鞘から抜くことになりそれはそれで楽しめると思うが、秦王が黙っていないことは簡単に思い描けてしまう。半分は出任せだが、事実この男が動かなければ一通り楽しんだ後に首を跳ねてしまおうと考えていたのもまた事実だった。
男は瞬時に顔を赤くさせ、立腹を露わにする。先ほどまで丸くなっていた瞳は、今や鋭く鈍く光る戈のようだ。
「そう青筋立てンなよ。別にまだ殺してねェだろーが」
「女の前で言うな」
枝のように突っぱねていた腕が怒りからか僅かに緩む。その隙をみて掴んでいた手首を桓騎自身へと引き寄せ、顔を思い切り近づけた。
「そんなこと気にしてんのか、お前」
鼻の先端が触れる距離で、下瞼を持ち上げながらこの期に及んで女の心配をする一介の将に薄く笑いかけた。男自身が自分で何を口走っているか、そしてこの状況を全く把握していないのが手に取るように分かってしまうことがあまりにも滑稽過ぎる。
「御託は良いからさっさとやれ」
男は引き結んでいた唇を薄く開け、顔を嫌がりながら近づける。何が悲しくて乳首を舐めなければいけないのか。そうありありと男の顔には書かれているが、小さな薄い舌を必死に突き出しながら竿を舐めている女の首が飛ぶのは決して見たくはないらしく、舐めるという選択をしたのは間違いなくこの男だ。狙い通りの選択に、桓騎は口角だけをうっそり上げた。
男の顔面は近づき、女とはまた異なった感触の舌を下唇に乗せながら桓騎の突起に舌を這わせた。女の舌使いが拙いとするなら男は下手だった。相手を悦ばせる事を知らない、知ろうとしないただ単純に舐めとると言った方が近い。
桓騎は特に乳首は性感帯ではなく、娼婦に舐めさせても性的興奮は得られない。無論この男の下手くそすぎる舐め方でもそれは変わらなかった。変わりに征服欲は満たされ、小生意気な男が従っていると思うだけで面白おかしい。恐らく男は竿を舐めないだけましとでも考えているのだろう。
女が竿の根本を丁寧舌で舐め、睾丸へと舌を突き出しながら下って行く。肉茎は次第に硬度を増し、亀頭が上を向いていく。相変わらず女は拙くそして遠慮がちに陰嚢の襞を一本一本舐めていく。男はと言えば舌を小さく出し時折桓騎の顔を伺いながら、舐めては訝しげに眉根を寄せて再び舌先で乳首を転がした。
乳首を舐めさせたまま女の後頭部を持つ。結われている髪を後ろに引き、舐めさせていた舌を強制的に辞めさせた。前に屈んでいる上体を伸ばしてやり、無理やり仰向けにさせる。舐めながら興奮を得ていたのか、ほぐしてやった蜜壷はとろりと蜜を溢れさせ受け入れることを待ち望んでいる。
自分の陰茎を緩く握り、秘部の割れ目を裏筋で男と全く異なった性器の入口へと数回擦り付ける。充血し膨らんでいる肉芽が刺激され女は小さい声をあげながら目を固くつむり、褥を握りながら挿入の時を待ちわびた。
「……まだ、舐めんのかよ」
男が口を開いたかと思えばすでにどうでも良くなっていたことを桓騎に尋ねられた。視線をそちらに移し、すぐ女に戻す。腰のみを動かしながら女の蜜口に擦り、桓騎の陰茎から滲み出している先走りも一緒に塗りたくった。そして、一度大きく腰を引き膣肉へと亀頭を埋め、勢いよく膜を破ってやる。
「っ――あぁあんっっ」
痛さなのか最奥をえぐったからなのか女からは悲鳴とも歓喜とも取れない嬌声が上がる。しかしその声とは裏腹に内壁は喜びながら肉を食んだ。蜜口は大きく開いて桓騎の陰茎を必死に受け入れ、それでも足りないかというように蜜の量を増やし根本まで受け入れている。時折血のようなものが混じっているのが見えたが、初物なので気にせず腰を突き入れた。
舌を離していた男はどうすることもできず深く結びつき合っている部分を凝視しながらへたり込んでいた。ただ見ていてもつまらないし、この後普通に抱いても面白くない。桓騎は下瞼を持ち上げ、女の揉み甲斐のない乳房を強く揉み、乳首を片手で引っ張る。膣壁がうねり、肉竿を強く締め付ける。女の腰が細かく震え、つま先がひきつっているような動きを見せた。控えめだった喘ぎは獣のような声が上がり、女の悦びともいえるような声を男にわざわざ聞かせてやる。
「お゙っ……お゙、おんっっ主様っ、あるじさまぁっ」
「はっ、汚ェ声」
自分を慰める時に出している癖かついてしまった嬌声なのだろう。桓騎の口からは率直な感想がこぼれたが善がっている女の耳には当然届いていない。背を仰け反らせ根本を食み子袋へと射精を促し子種が欲しいと諂う腰の動きは品がなく、ただ快楽を追い求める獣になっていた。
腰を掴んでいた手を腹部におき、穿っている膣を一度押しそれから蝶のようにひらりと手をあげ陰部へ親指の腹を添える。芯を硬く保ち、包皮をめくり上がらせ小さな芽を出している淫豆を親指の腹で遠慮なく押しつぶすと白い首をのけぞらせながらつま先で寝台をおし、腰を上下に震わせて陰茎を抜いたかと思えば勢いは弱いものの尿と愛液とはまた異なった透明の体液が流れ出てくる。
親指は添えたまま、何度も爪先で根本を引っ掻いてやると再び漏れ出す。匂いはない。割れ目を伝い、臀部の丸みを帯びた頂上から伝い落ちていく。女は絶頂に達し、声もなく腰だけを未だ震わせ天蓋をみているようだった。力の入っていない女の身体を反転させ腰だけを高くあげてやる。割れ目を広げ再び桓騎は肉竿を挿入した。
痙攣し、先ほどよりも締まりが強く肉壁を掻き分けながら子袋の最奥へと到着する。大きく腰を引き、一度陰茎を引き抜いて、裏筋と雁首で肉芽を引っ掻いてから再び穿つ。柔らかく迎えいれる膣はどこまでも桓騎の肉茎を甘やかし、そして悦んだ。
腕を伸ばし褥に張り付いている薄い胸へと手を這わせる。中央についている突起を再び引っ張りあげ、女が腕をついて一際大きく啼いたところで肩を掴み背を弓形に無理やりしならせた。
「やぁあっ、っ、……そこっっ、お゙っおっ……っあ――っっっ」
膣壁のしこりを掠めると女が苦しい体制にもかかわらず声を上げ、口に出して気持ち良くなっていく。肩に掛けていた手を上に向けさせる為に顎への指をかける。桓騎の上体を前に乗り出し、自身の唇で女の下唇を吸い上げた。舌を突き出し桓騎の舌と絡めさせようと言う魂胆が見えており、ちらりと男へ視線を投げかける。
男は桓騎の視線に気がつかず、まだ脱いでいない胡服の上からいきり立っている陰茎を握りしめ、緩く手を上下させていた。こちらの行為で自慰を行っているらしい。あまりにも無様だ。
声をかけ女を貫きたいならそうさせるつもりだった。しかしそんな勇気はないらしく、惨めにも獣のような交接を眺めているだけとは。とんだ腰抜けなのかと桓騎は落胆にも似たような気持ちが沸き上がる。
視線を女に戻し舌を差し込んで唾液を垂らす。唇を女から離し開いていた口を無理やり閉じさせ女へ唾液を飲み込ませた。嚥下する音が聞こえ、女は呆然としながら桓騎の顔を見つめているが、焦点は合っていない。桓騎は女への興味は既に失せている。抵抗を示さずただ従順に受け入れる姿はみていてつまらない。
「下僕」
「んっ……だよっ」
「来い」