「あったかそ」
「何が?」
「マフラー」
「そうか?年中してるし、わかんねぇけど」
「でも最近寒くなってきたでしょ」
「まぁ、そうだな」
「なら、ナツさんマフラーはずしてみてよ」
「おぅ…、寒い」
「だろ?やっぱマフラー様々なわけ」
「だな。イグニール有り難う」
「えー、つまんねぇ」
「なんでそうなんだよ」
「そこはさ、スティング暖めて?っていうとこじゃねぇの?」
「…」
「ナツさんの視線がすっごい冷たいんですけど」
「冷たくもなるわ」
「ナツさん、オレがあっためたげる」
「いらねぇ」
「照れてんの?」
「これが照れてるようにみえんなら、お前の目は節穴だな!!」
「節穴ってひっでーの。ナツさんにくっつきたい口実なのに」
「うっ…」
「や?」
「…や、じゃ、ねぇけど」
「なら、オレんところ来てよ」
「…なんでオレから行かなきゃいけねぇんだよ」
「たまにはナツさんに甘えてほしい」
「…うぐぅ」
「ね、ナツさん、キて?」
「…なんだよ、その誘い文句」
「ナツさんいつも使ってるから」
「うわー!!!お前最低!もうぜってぇ甘えねぇ!」
「え、なに、ナツさん、あ、意識して使ってんの?」
「ッ…!!」
「うわ、まじで?えー、なにそれ、むっちゃ可愛いんですけど。えー、ナツさん、しよっか」
「…結局、そうなんのか」
「だって、ナツさんが誘ってきたから仕方なくねぇ?」
「…仕方ない」
マフラーあったかい!
(スティナツ)
* * * * *
「ラクサスのコート、あったかそうだよな」
「そういうお前はいつだってマフラーしてるだろうが」
「そうなんだけどよ、ラクサスのがコートだから面積広いだろ?」
「あー…」
「だから、オレが着る!」
「…は?」
「ラクサス、コート貸せ!」
「…貸して下さい、だろ」
「ラクサスさん、こーとかして下さい」
「おらよ」
「おー…やっぱ、おっきーな」
「…」
「袖余るし、裾、地面すれすれだし」
「…」
「でも、あったけーな!これ有れば冬一枚で越せそうだ」
「…」
「なー、ラクサスどうした?さっきから静かだけど」
「…お前、それ無意識なのか」
「何がだ?」
「それ」
「どれ? あ、…ラクサスの匂いがする」
「…ナツ」
「ん?」
「煽るのやめろ」
「?!」
「そんなに犯してほしいのか、あ?」
「おかっ、おかっ?!」
「無意識なら、たち悪ぃ」
「はっ?!何言ってんだラクサスっ、オレはっ」
「オレは?何だ言ってみろ」
「着たまんまの感想言ったまでだろ!なんで、犯すとか、煽るとか、そんな話しになんだよっ」
「なるだろ」
「なんねぇ!!」
「…ナツ、お前バカだろ」
「んなっ!バカってなんだバカって!」
「恋人の服着て、匂いがするってお前、それで興奮しないやつがどこにいる」
「…あ」
「…」
「えっ、と…ら、らくさ」
「わかってんなら、行くぞ」
コート、あったかい!
(ラクナツ)